IMEの辞書ツールに登録している$\mathrm{\TeX}$コマンドを紹介します。
WebページやPDFで数式をよく書く人には便利だと思います。
全角入力 | 変換候補 | 意味 |
---|---|---|
qw | \left(x\right) | 括弧 |
wq | \left[x\right] | 〃 |
wq | \left\{x\right\} | 〃 |
wq | \left|x\right| | 〃 |
zx | | HTMLのスペース |
xz | $\$$$\$$ | HTMLのスペース、 文章中の数式環境、 HTMLのスペース |
ふぁいえぬ | \varphi\left(n\right) | Euler の $\varphi$ 関数 |
bg | $\backslash$begin{eqnarray*}$\backslash$end{eqnarray*} | 数式環境 |
bg | $\backslash$begin{alignat*}{1}$\backslash$end{alignat*} | 数式環境 |
bf | \mathbf{A} | 太字立体 |
bs | \boldsymbol{x} | 太字斜体 |
cd | \cdots\cdots | 点々2回 |
ごうどう | \equiv | 合同式 |
もっど | \hphantom{m}\left(\text{mod}.\ p\right) | 剰余 |
かいぎょう | <br /> | HTMLの改行 |
おp | \operatorname{x} | 演算子の名前 |
以下、それぞれのコマンドを登録した所以を説明します。
基本的に、前提として、変換する前の文字の選出は、
通常の全角文字でのタイピングに支障のないように=文字入力の途中までがかぶらないような文字を選びます。
例えば、キーボードの端の方にあるからといって、「AS」を選ぶと、「あさ」や「あさって」を入力、変換する際に、登録した$\mathrm{\TeX}$コマンドを過ぎ去るためにスペースキーや下矢印キーを押す必要があったり、3個目のキーを押すことになったりするでしょう。その逆もあります。
そのため、日本語の入力にあまり使われないキーを使うと良いです。
また、その$\mathrm{\TeX}$コマンドを連想しやすく、思い出しやすいアルファベットの配列にすると良いです。
さらには、キーボードの中で個人的に打ちやすい位置にあるキーを選ぶと良いです。
それらの結果、私が選んだのが、上記の通り、キーボードの左端に位置する「Q」「W」「Z」「X」です。
今後、増やすときは、「Q」などの後に「A」や「S」を使うと思います。
登録した$\mathrm{\TeX}$コマンドについて、初めに、関数を書くときによく括弧を書きますが、私は
「\left(\right)」をよく使います。タイピングし慣れると速く打てますが、ショートカットできるに越したことはありません。
そこで、代表的で最もよく使う「\left(\right)」に「QW」をあてました。
数式でよく使う括弧には、あと3種類あります。
「\left[\right]」「\left|\right|」「\left\{\right\}」です。
これらにはまとめて「WQ」をあてました。
文章中に現れる数式と、文章の文字との間には、少し空白が空けられます。
例えば、$\dfrac{a-k}{n^2}$ を求める、のようにです。
上記の例では、左隣は句点「、」のため、空白は入れていません。
この空白をWebページでは、「 」で表示します。
このような空白は、人名や団体名や論文名や専門用語の英語などを表記したアルファベットの隣にも使います。
私は、この「 」に「ZX」をあてました。
これに付随した事として、文章中の数式を表示するのは、$\mathrm{\TeX}$コマンドは数式のコマンドの両隣に「$\$$」を書くことです。
文章中の数式の両隣に空白を入れると仮定すると、文章中の数式を書くときはいつも「 $\$\$$ 」を書くことになります。
そこで、これに「XZ」をあてました。
もしくは、これの入力後に左向きにキャレット(点滅する縦線)を移動させる必要があるので、
「XZ」に「 $\$$」と「$\$$ 」をあてて、1つ目を書いて、数式のコマンドを書いて、2つ目を書く。というのでもいいかも知れません。
他にも、通常の(文章中でない)数式環境のコマンドも登録しました。
個人的によく使うものとして、alignat*環境とeqnarray*環境を「BG」で登録しました。
他の$\mathrm{\TeX}$コマンドとしては、「$\backslash$boldsymbol」「$\backslash$mathbf」「$\backslash$mathfrak」などがあり、それぞれ「BS」「BF」「MF」で登録しました。
整数論でよく使われる「$\varphi\left(n\right)$」と「$\hphantom{m}\left(\text{mod}.\ p\right)$」をそれぞれ「ふぁいえぬ」「もっど」で登録しました。
文字数が多いほど、使うたびに便利感があります。